投稿者: miuramasayuki
3月10日のパンスターズ彗星
12月11日の月水金土
みなさんこのショットを狙っていたようですが、実は私も狙っていました。
先に、facebookへ投稿していますが、同じ写真とスピカまでを含めた広角写真をアップさせていただきました。
吹上北中「北翔祭」での太陽投影
9月11日は、吹上北中学校の文化祭「北翔祭」でした。学校からの依頼で、昼休みの時間帯を利用して、天文台の望遠鏡で太陽の黒点を見てもらいました。
校内放送で太陽黒点観測の案内が流れると、集団が天文台まで駆け上がってくる音がドカドカと響いて来て、ちょっと焦ってしまいました。
当日は、残念ながら大きな黒点が無く、あまり見栄えがしませんでした。

何よりも意外だったのは、天文台に上がってきた生徒さんが、どこに太陽が見えているのか気付かないことでした。
投影板に映った太陽像の前で、きょろきょろとあたりを見回したり、投影板の下から覗き込もうとしたり、といった具合でとまどってしまうのです。つまり、一般的には 望遠鏡=覗く という印象が強いということを実感しました。
太陽投影板に映し出されている太陽像を指示して、「これが太陽の像です。」、「ここにある黒い点が黒点と呼ばれるものです。」などと説明してはじめて、「へー」とか「ふーん」といった、感激というより落胆に近い感想が聞こえてきました。それでも、しばらく見入っている生徒さんも何人かいたのは間違えありません。

今回の大きな目的は、「北翔祭」というイベントを利用して太陽黒点を多くの人に見てもらうことで、学校にこんなに立派な望遠鏡があることをみんなに知ってもらうことです。実際、生徒たちが一番関心を持ったのは天文台そのもので、「屋上に見えていた丸い建物って、これだったんですか。」といった声が聞かれました。したがって、その目的は十分発揮されたことは、言うまでもありません。
今後は、定期的な観望会を開いて、末永く学校と周辺地域の方々に有効利用していただきたいものです。
吹上北中学校の望遠鏡修理(その2)
赤経クランプの修理を終え、いよいよ光学系の清掃作業となります。
対物レンズは、長年の埃が積って、まるで曇りガラスのようです。

清掃するために、対物レンズを鏡室ごと取り外しますが、バランスが大きく崩れますので、
事前に鏡筒をロープで固定しておきます。

対物レンズを下して間近に見ると、かなり大きいという印象です。

いよいよ、レンズを鏡室から取り出すのですが、飾り環が固く締まっていて、なかなか外れません。
そして、飾り環をなんとか外しましたが、今度は固定環がなかなか外れません。
ようやく固定環も外すことができ、鏡室から慎重にレンズを取り出します。




これから、レンズを洗浄しますが、その間に鏡筒をきれいに拭いてあげましょう。

対物レンズの清掃は寺田さんにお任せして、私たちはアイピースの清掃を行いました。
さすがにアイピースを分解して、一つ一つのレンズを清掃するのは大変ですから、
今回は表面の汚れのみを拭きとることにしました。
それでも、小さなレンズを清掃するのは一苦労、皆さんお疲れさまでした。

アイピースの清掃をしている間に、対物レンズの清掃も終わり、再び鏡室に収められて
ロンキーテストの準備が整っていました。
結果は良好で、EDレンズならではの、色収差のないきれいな直線の縞が並んで見えていました。



これで、光学系の清掃が終わり、対物レンズを再び望遠鏡に取り付けます。

とりあえず遠くの鉄塔にピントを合わせてみると、色収差もなくスッキリした像が見られました。
光学性能は、全く問題はないようです。すぐに天体を見たいところですが、まだ日が高いので、
先生方に太陽投影板の使い方の説明を兼ねて、太陽を見ることにしました。残念ながら、
長焦点のMHアイピースが無いため、太陽像が投影板を少々はみ出してしまいましたが、
当日はたくさんの黒点があり、たいへんにぎやかな太陽面を観察することができました。

以上で、今回の望遠鏡メンテナンスは終了しました。きれいになった光学系で、
早く天体を見てみたいものです。
そして、このすばらしい望遠鏡が、これからどんどん活用されていくことを願うばかりです。
吹上北中学校の観望会
天文台の望遠鏡の赤経クランプ修理を終えたところで、学校より望遠鏡のお披露目を兼ねて、観望会を開きたいというご要望がありました。
観望会を開くにあたり、観望会のご案内用に土星の写真を使いたいということで、まずは、天気の良い日を選んで土星の写真撮影をするととになりました。
まだ、この望遠鏡の撮影システムを確認していなかったので、とりあえず手持ちの撮影機材を持ち込んで、撮影に臨みましたが、カメラを取り付ける方法が、なかなか見つかりません。それでも、なんとかなるもので、ようやく撮影準備が整いました。

当日のシーイングはまあまあでしたが、ときおり土星の像が大きく揺らぐため、絶好の撮影日和ではありませんでした。
それでも、さすがに20cm屈折の威力を発揮して、それなりの写真が撮影できました。

天文台の外(校舎の屋上)は、全天が開けた絶好の環境です。

8月3日に待望の観望会が開催され、大勢の生徒さんやご父兄、ご家族の方々で大盛況となりました。
当日は、土星と月を見ていただきましたが、初めて生で見る天体に皆さん感動していました。
この時点では、まだレンズ清掃がされていませんでしたが、 それでも20cmという口径の威力もあって、満足できる観望会となりました。次回の観望会の日程はまだ決まっていませんが、きれいに清掃されたレンズを通して、新たな感動を味わっていただきたいと思います。
吹上北中学校の望遠鏡修理(その1)
以前、児童センターの望遠鏡のメンテナンスを行っていただいた、寺田氏からご連絡をいただき、
吹上北中学校の天文台にある「PENTAX200屈折赤道儀」の修理をお手伝いすることになりました。
症状は、赤経クランプが締まったまま、クランプレバーが操作できなくなっており、構造を調べてみると、
クランプ機構がバランスウエイト・ユニットの中にあることが判明しました。
ということで、この巨大な赤道儀のバランスウエイト・ユニットを外す作業からはじめました。
バランスが大きく崩れるので、ロープを使って望遠鏡が倒れないように固定しましょう。

当然のことながら、バランスウエイト・ユニットの重量は相当なものです。危険がいっぱいですが、
ここを外さないと、患部にたどり着けません。
クランプレバーの回転をクランプ軸に伝える、中間ギアの軸が折れていました。
幸いなことに、中間ギアの軸は市販のボルトで代用できることが分かり、無事に修理を完了しました。
今度は、再びバランスウエイト・ユニットを組み立てなければなりません。重いうえに、高所での作業となり
大汗をかいて奮闘してくださいました。
大変な作業でしたが無事に終了しました。
これで、赤経クランプレバーの操作が、正常にできるようになりました。
これで、すべて完了かというと、実は、メイン・イベントとなる光学系の清掃がまだ残っています。
しかし、寺田氏のご都合もあり、日を改めて行うことになりました。
そのお話は、あらためて投稿いたします。















