10月31日に鴻巣児童センターの天文台にある天体望遠鏡のお手入れを行いました。
今回の大掃除は、堂平天文台でボランティア活動をされている寺田様からの申し出により実現したもので、想像を超える本格的な補修作業となりました。
当日の作業の様子を、写真とともにご報告いたします。

ガイド望遠鏡や対物レンズを外した赤道儀はバランスが大きく崩れているので、作業が終了するまでロープでしっかりと固定しておきます。

これがメイン望遠鏡の15cm 対物レンズです。さすがに大きなレンズですね。レンズも金物もかなり汚れていますが、これくらいならば清掃してきれいになりそうです。

望遠鏡の中には、教科書通りに絞り環がきれいに並んでいます。このような手抜きのない作りがコントラストの良い像を提供してくれるのです。

レンズの精度を調べる検査方法の一つで、縞模様が直線になっていることから、かなり高精度にレンズが磨かれていることがわかります。また、縞模様が少々青紫色に滲んでいますが、これは2つの波長について色収差を補正しているアクロマートレンズとしては、かなり優秀に補正された像といえます。

主な部品を外し終えて、昼休みとなりました。左手前の方が今回の修復を申し出てくださった寺田さん、その後ろが寺田さんの助っ人の福田さんご一家(4人)、右端の方がNikonの望遠鏡のすべてを知るオーソリティ清水さんです。

レンズを慎重に鏡室から取り出します。専用工具はありませんので、塗料の缶に布をかぶせて代用しています。取り出したレンズは、この後洗面器に張った水の中で汚れをそっと洗い流しました。

いよいよ本日のメインイベント「レンズ清掃」です。傷をつけないように、プロ顔負けの手つきで慎重にレンズ面を拭き上げてくださいました。組み立て後のロンキーテスト結果も完璧です。

レンズの清掃、ガイド鏡筒の組み立てと並行して、天文台ドームの中では福田さん親子といちばんぼしメンバーで、赤道儀やメイン鏡筒の清掃とワックスがけが行われていました。

すべてのパーツの清掃、修復が終了したところで、元の位置に取り付けなおします。赤道儀も鏡筒もピカピカに輝いているのがわかりますよね。

すべての組み込み作業が完了しました。その後は木星と月で実像を確認し、最後にベガで星像テスト行ってすべての作業を完了しました。
皆さま長時間にわたってお手伝いいただき、本当にありがとうございました。
お疲れ様でした!