若き日のいて座

久しぶりにイラストのスイッチが入りました。

恋人を殺したさそり座に狙いを定める、若き日のケイロン。という妄想。

けれどもさそりには魔法がかけられていて、ケイロンは矢をつがえても放つことができず、夏の夜空を巡るばかり…

と、妄想が止まらず、夜が更けていきます。楽しい。

いて座

ちなみに本当の神話は、勇者オリオンを殺したさそりが天上で暴れないよう、いて座が狙いを定めている、というものです。

と、ここまで書いたところで、あれ?ケイロンの恋人ってまさかオリオン…?と我ながら疑惑が。

そんなつもりはまったくなく描いた絵ですが、ギリシア神話ならそういうこともありそうですし、それならそれでよいのかもしれない。

桜を愛でる和歌

この季節になると、必ず思い出す大好きな和歌があります。
一つはとっても有名なこの歌。

世の中に たえて桜の なかりせば
春の心は のどけからまし
在原業平

(世の中に桜ってものさえなければ、もっとのんびり春を過ごせるのになあ。)

もう一つは、与謝野晶子の友であり、歌の上でも恋の上でもライバルだった山川登美子が、悪化する病の床で詠んだ歌。

をみなにて 又も来む世ぞ 生まれまし
花もなつかし 月もなつかし
山川登美子

(今度生まれてくるときも、また女として生まれたい。
花も月も、こんなにもなつかしいのだもの。)

いつのまにか、すっかり満開ですね!

66980EF1-F11C-44D3-B0B3-2EEE5AB36A48

本との出会い。野尻抱影『星は周る』

本ネタがつづきます。

素敵な本と出会いました。(まだ読みかけ)

img_2064

野尻抱影
『星は周る』
平凡社STANDARD BOOKS

著者は冥王星の名付け親で、大佛次郎のお兄さんだそうです。
文章は格調高く、でも親しみやすく。ユーモアもあってロマンチック。
古代ギリシャの哲学者を旧知の友のように語り、李白の漢詩が飛び出すかと思えば、少年の頃の失敗など微笑ましい。
星への愛に溢れています。

この本はダイジェスト版でわりと薄めですが、読み終わるのがもったいない。

2/25(土)天文教室のテーマは
〈三日月形の金星と冬の星座〉
本より引用、

「金星が新月のように虧(か)けて、それよりも繊(ほそ)い尖端をプラチナのように光らせている姿」(P.52)

「例のオリオン座などとなると、二十年、三十年、冬のたんびに見ているのだが、あのみつ星が東の地平にまっすぐ立って出て来るのを見ると、正直、胸がどきつく」(P.11)

「すばるはと見れば、もう西空の天頂近く、目に見えぬ手が揉んでいる水晶の数珠のようにきらめいていた」(P.125)

2月は寒さの底ですが、皆さん暖かくして、そんな星々を観にきてください^^

東京タワーと、いまだけのカップル

完全な失敗で、Blogに載せるのも相当迷ったのですが、せっかく行ってきたので掲載することにしました。
8月に予定されている天文教室<星空の写真を撮影しよう>の、恰好の失敗見本になりますし。
5/25(日)第二回都内撮影会。
明るい東京タワーの露出オーバーを抑えるためとはいえ、絞りすぎました。
うっすら他の星も写っているのがわかるので、残念です。いつもながら、露出は本当に難しい。
Canon EOS Kiss X6i/18mm/F6.3、5秒/ISO100/230枚を比較明合成(約22分間の撮影)

5.25..21:20-40

左側の青白いのが、おとめ座のスピカ。右側が火星です。
本来スピカは、オレンジ色の春の一等星、うしかい座のアークトゥルスと夫婦星とされているのですが、いまだけはマルス(火星)とカップルのようです。

マルス(火星)の本命はアフロディテ(金星)のはずなのですが(というギリシャ神話があります)、金星はいまは明け方の空に。
アークトゥルスは距離37光年の彼方を秒速125㎞の猛スピードでスピカの方角へ移動しているらしいのですが…
マルスにスピカをとられる前に、まにあうのか?!

なんて、春の夜空の恋愛模様を想像しながら眺めていたのでした。