吹上北中学校の望遠鏡修理(その2)

赤経クランプの修理を終え、いよいよ光学系の清掃作業となります。

対物レンズは、長年の埃が積って、まるで曇りガラスのようです。
清掃前の対物レンズ

清掃するために、対物レンズを鏡室ごと取り外しますが、バランスが大きく崩れますので、
事前に鏡筒をロープで固定しておきます。
鏡筒の固定

対物レンズを下して間近に見ると、かなり大きいという印象です。
対物レンズ

いよいよ、レンズを鏡室から取り出すのですが、飾り環が固く締まっていて、なかなか外れません。
そして、飾り環をなんとか外しましたが、今度は固定環がなかなか外れません。
ようやく固定環も外すことができ、鏡室から慎重にレンズを取り出します。
飾り環の取り外し固定環の取り外し
レンズの取り出し取り出されたレンズ

これから、レンズを洗浄しますが、その間に鏡筒をきれいに拭いてあげましょう。
鏡筒の清掃

対物レンズの清掃は寺田さんにお任せして、私たちはアイピースの清掃を行いました。
さすがにアイピースを分解して、一つ一つのレンズを清掃するのは大変ですから、
今回は表面の汚れのみを拭きとることにしました。
それでも、小さなレンズを清掃するのは一苦労、皆さんお疲れさまでした。
アイピースの清掃

アイピースの清掃をしている間に、対物レンズの清掃も終わり、再び鏡室に収められて
ロンキーテストの準備が整っていました。
結果は良好で、EDレンズならではの、色収差のないきれいな直線の縞が並んで見えていました。
テスター対物レンズ+平面鏡
ロンキーテスト

これで、光学系の清掃が終わり、対物レンズを再び望遠鏡に取り付けます。
対物レンズの取り付け

とりあえず遠くの鉄塔にピントを合わせてみると、色収差もなくスッキリした像が見られました。
光学性能は、全く問題はないようです。すぐに天体を見たいところですが、まだ日が高いので、
先生方に太陽投影板の使い方の説明を兼ねて、太陽を見ることにしました。残念ながら、
長焦点のMHアイピースが無いため、太陽像が投影板を少々はみ出してしまいましたが、
当日はたくさんの黒点があり、たいへんにぎやかな太陽面を観察することができました。
太陽投影

以上で、今回の望遠鏡メンテナンスは終了しました。きれいになった光学系で、
早く天体を見てみたいものです。
そして、このすばらしい望遠鏡が、これからどんどん活用されていくことを願うばかりです。

吹上北中学校の望遠鏡修理(その1)

以前、児童センターの望遠鏡のメンテナンスを行っていただいた、寺田氏からご連絡をいただき、
吹上北中学校の天文台にある「PENTAX200屈折赤道儀」の修理をお手伝いすることになりました。

症状は、赤経クランプが締まったまま、クランプレバーが操作できなくなっており、構造を調べてみると、
クランプ機構がバランスウエイト・ユニットの中にあることが判明しました。
ということで、この巨大な赤道儀のバランスウエイト・ユニットを外す作業からはじめました。
バランスが大きく崩れるので、ロープを使って望遠鏡が倒れないように固定しましょう。

s-IMG_54631

 

当然のことながら、バランスウエイト・ユニットの重量は相当なものです。危険がいっぱいですが、
ここを外さないと、患部にたどり着けません。

バランスウエイト・ユニットの取り外し

クランプレバーの回転をクランプ軸に伝える、中間ギアの軸が折れていました。

中間ギアが外れたクランプ機構軸が折れた中間ギア

幸いなことに、中間ギアの軸は市販のボルトで代用できることが分かり、無事に修理を完了しました。

中間ギアの再生

今度は、再びバランスウエイト・ユニットを組み立てなければなりません。重いうえに、高所での作業となり
大汗をかいて奮闘してくださいました。

ユニットの取り付けバランスウエイト

ウエイトの挿入蓋を閉める

大変な作業でしたが無事に終了しました。
これで、赤経クランプレバーの操作が、正常にできるようになりました。

修理完了

これで、すべて完了かというと、実は、メイン・イベントとなる光学系の清掃がまだ残っています。
しかし、寺田氏のご都合もあり、日を改めて行うことになりました。
そのお話は、あらためて投稿いたします。

 

 

黒いMS-10

機会あって、青森市中央市民センターのプラネタリウムに行ってきました。
1969年製のMS-10が使われていますが、黒いんです。昔のは黒かったらしいです。ミノルタのMSシリーズはいろんなところで見てきましたが、皆鴻巣と同じ青っぽい色で、黒いのは初めて見ました。

あと、鴻巣の機械との違いは、外シャッター。と言う用語があるのかどうか知りませんが、地平線下に星が映らないようにするためのシャッターが、外側に付いています。鴻巣のものは中に入っていて外からは見えません。
文京区教育センターと川口市児童文化センター(共に71年開館で今はもう閉館)のMS-10は外シャッターで青色でした。(後者は川口市立科学館に展示されています。)黒と青の境目はこのあたりのようです。

青森のものが現役最古のミノルタの投影機かと思ったら、山口県の山陽小野田市青年の家に66年製のMS-10があるようで、そちらも写真を見ると黒いです。

当然ながら完全マニュアルで生解説。年配の男性解説員が、投影機の説明、日の入りから始めて星座解説、翌日の日の出で終了、と言う伝統的な生解説をしていました。きちんとメンテナンスはされているようで、星はなかなかきれいに映っていました。大事に使い続けてほしいものです。

ISS(拡大撮影)

ISSの追尾撮影にハマっています^^
今回ははじめて拡大撮影をしてみました。
(今までは直焦点撮影でした。)

トリミングをすると

JAXAのホームページからも写真を借りて

今月は最大で6機の宇宙機がドッキングするらしいですよ~^^

JAXAi閉館

たくさんのお客さんに惜しまれながら閉館しました。

入り口には、金星探査機「あかつき」を応援する『千のあかつき』が。
すでに2千個を越える「あかつきくん」が集まっているそうです。
(これ、もともとはクリスマスツリーなんですよ。)

閉館時間間際は入場制限されていました。
階下は「トークセッション」が終わったばかりの『OO広場』。

JAXAi、ありがとう!

プラハの天文時計

行ってきたわけではないんですけど^^; アタリマエダワネー

すごい映像を紹介していただいたので、ここでも紹介!
1410年に製作された、プラハ(チェコ)の天文時計600周年記念イベントのプロジェクター映像です。

http://vimeo.com/15749093

10分弱と少し長いんですけど、お楽しみください☆